2016年5月~9月
柏市探訪講座「雑学かしわ」
柏市の広報誌「かしわ」(4月発行)に掲載された講座に応募しました。25名定員のところ、94人の応募だった由でしたが、幸運にも当選のはがきをいただきました。
今回が初めての参加でしたが、30年以上柏に住んでいながら、まだ行ったことの無かった、知らなかった名所を訪れることができました。
次回の講座も受けたいと思います。
④ 9月7日(水)
・千葉県西部防災センター(松戸市)での防災体験学習を行いました。「雑学かしわ」の学習としては、違和感が有りましたが、良い体験ができました。
風速30m/秒、雨量30mm/時の威力を体験しましたが、握っている手すりから手を放すと風の力で身体が飛ばされるのが分かりました。キッチリした合羽を着用しても、顔や手首から雨が入っていました。
偶然にも自宅後、茨城県で発生した地震が有りましたが、震度6の地震体験をしてきたばかりだったので、慌てることもなく済みました。体験が有意義だったと思います。
③ 7月13日(水)
・旧吉田家住宅歴史公園:国指定重要文化財。
自宅から程近い場所ですが、今回初めて見学することができました。
吉田家は、代々名主の役を務めながら、穀物商としても栄えるとともに、江戸幕府の軍用馬を放牧する小金牧の管理にあたる牧士を務め、士分格の地位が与えられたことから、当地方の農家における住宅形式の到達点としての見事な屋敷構えを今に伝えています。特に、長屋門は1831年に建てられたもので、使っている見事な一枚ものの大扉も自宅の敷地内で伐採された木材が使われた由で如何に広大な土地を領していたかが窺えます。主屋は1854年に建て替えられたものですが、何層にも葺かれた茅葺き屋根の軒下の見事さには、美への強い意識を感じることができました。更に、火を使う土間の壁や梁には、全て防火対策としての漆喰塗りが施されている事にも細やかな心配りが感じられました。当時の当主の細やかさが今も生きている建物です。
また、在郷商人としては、幕府から下賜される馬を使い、布施から流山への陸路の商流にも関わっていたことや、年貢代わりの雑穀を醤油の製造に生かしたことなど、その商才も確かのものだったと推察されました。
・松ヶ崎城址:柏市指定文化財(史跡)
手賀沼を見渡す台地の先端部に、15世紀から16世紀に造られたと考えられる城跡で、県内に確認されている1,000ヶ所の中世城館跡としては保存状態が非常に良いとのこと。城の形式は、周りを高い土塁と堀からなる土の城で、大きな建物は無かったようです。この台地には、小さな古墳が3基確認されており、その内の大き目な古墳の上に見晴らし台が作造られていた由。当時は、この台地のすぐ下まで手賀沼がせまっていたことを考えると、交通の要衝の要となっていたと考えられていることが納得できました。
また、平成8年までこの地には松ヶ崎不動尊があり、昔はかなり栄えていたことを記す絵馬も掛かっていたが、火災で全て失われてしまったことは非常に残念です。
② 6月21日(火)
この日、見学の際は生憎の雨模様でした。
・神明社(塚崎):中世から続く鎮守様。
南北朝の時代から続く由緒ある社で、伊勢神宮の相馬御厨の重要な聖地だったと考えられるとのこと。
現在でも毎年10月17日には例祭が行われ、社殿横にある神楽殿では、十二座神楽が奉納されるとのことですが、神楽を代々引き継ぐ「神楽衆」の方が少なくなり、八座が行われるのみとの由で、後継者不足が深刻のようです。
表参道石段の下に大幟幡(先端のサカキも含めると20m以上の高さとなる)を設営するにも50人掛かりで1時間もかかる由ですが、いまだ機械化はしないで人手によって設営されているとのことでした。神事を大事にしたいとの気持ちは大切にしたいですね。
6月と12月には、「茅の輪くぐり」の神事が行われるとのことで、ちょうどこの日は、茅の輪がありましたので、くぐらせていただき、心身の健全無病息災を祈りました。
・柏市郷土資料展示室(沼南)
柏市で発掘された旧石器時代からの出土品が各年代順に整理されて展示されていました。
市内500ヶ所ほどの発掘現場からの出土品には各年代の特徴的な品が数多く出土しているようです。
中でも北柏駅当たりの丘陵地からの出土品の中には、中国からの渡来品や、茶器などの破片が見つかっており、その地域が昔から質の高い生活の場だった事が窺えるとのことでした。
砂川七郎コレクションの人間国宝・芹沢銈介作品展も見学することができました。柏市には寄贈された芹沢作品が約600点あるとのこと、今回展示(2016年3月19日~6月26日)は、第20回目となる展示で、「葉の彩(いろ)、花の声~芹沢銈介の植物へのまなざし~」と題して、植物がテーマとのことですが、今後も引き続きいろいろな切り口での展示が行われるとのことでした。
デザイナーとしての彼の感性と作品の素晴らしさを改めて感じることができました。
① 5月11日(水)
・戦争遺構: 「高射砲第2連隊・照空予習室及測遠機訓練所」(根戸)、「ロケット戦闘機秋水・燃料庫」(花野井)
太平洋戦争中、柏は、首都防空の一翼を担う飛行場や高射砲部隊を始め、陸軍の諸部隊や軍需工場が進出する軍郷でした。現在その名残を散見することができますが、普段はなかなか気付きません。
「秋水」
B29の迎撃に開発が急がれたが、試作段階で終戦を迎えた。高度1万メートルまで約3分で上昇できるが、約5分30秒の航続性能だった。
・自然博物公園: 「こんぶくろ池」(若柴)
常総粘土層上面の地下水が地表に滲み出ている珍しいタイプの湧水池で、水は地金堀、大堀川を経て手賀沼へ流れている。池の周辺は、湿地帯となり珍しい植物が観察できるとのことですが、今の時期はちょうど花が見られない時期で残念でした。また、かつては小金牧の中にあり、馬のオアシスとなっていたなごりの「野馬土手」も観ることができました。 |
風雨の体験(防災センターパンフレットから)
重厚な茅葺き屋根の旧吉田家・主屋。7月13日撮影。
広い土間の梁には防火対策として漆喰が塗られている。
松ヶ崎城址図(手賀沼と松ヶ崎城の歴史を考える会)
大幟幡(神明社案内より)
6月21日、社殿の前にある「茅の輪くぐり」。
発掘された「勾玉」。
芹沢銈介作「梅と鴬文」(柏市HPより)
5月11日、地下にあるロケット戦闘機「秋水」用燃料倉庫の換気筒が畑から何本も生えてました。
5月11日、豊かな湧水をたたえる、こんぶくろ池。 |