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私の出会った図書の中から皆さんに知って頂きたいと思う図書をご紹介します。

楊名時著 『新装版 太極拳』 

楊名時太極拳の入門書としてお勧めすします。
1971年12月文化出版局から本書の初版本の「太極拳」が発行されたしたが、その発行に携われたのが当時、文化出版局で編集を担当されていたわが師:中野完二先生でした。

要旨

 「まえがき」に、以下の通りある。
 『太極拳は中国古来の武術で、中国人の思想、民族性を端的にあらわした一種のバランス運動である。現代では医療方面にもとりいれられ医療体術、あるいは国民体操としてひろく愛好されている。
 この太極拳は、硬拳のように筋骨を鍛錬するのではなく、呼吸法にのっとって内面の『気』を養い、健康保持をおもな目的としている。したがって、年齢性別にかかわりなく、だれにでもできる運動である。
 しかし、太極拳のもとめる境地は無極 ーー 限りないものであるから、生あるかぎりけいこしても卒業ということはない。その意味で太極拳は禅に通ずる、むずかしいものである。』
 その通りかと思います。

著  者:楊 名時
発行所:文化出版局
03-3299-2540
発 行:1986年8月
ISBN978-4-579-20266-9 C0075

                                                   このページのトップへ

延年益壽不老春 (本書から抜粋)

 太極拳をけいこするおもな目的は、一、体質を強くすること。二、病気の治療と健康をたもつこと(長いあいだつづけて鍛錬すると、新陳代謝を促進させ、健康を増進させることができる)だ。
 中国には、むかしからつぎのような太極拳にかんすることわざがある。
 「延年益壽不老春」(イエンネンイシオウプラオツウン)
 かんたんに日本語訳すると、年齢をのばして寿命に益をもたらす、年とらない我が世の春、という意味になる。
 太極拳を修練するには、求めずして得るという気持ちでやらなければならない。私自身をもふくめて、人間には小利口者が多すぎておうおうにしてやる前から、いつどういう結果が得られるかという打算が先ばしる。その弱みにつけこんで、やればすぐ効果があがることをキャッチフレーズに、いわゆる即効薬的なものが好まれる風潮下にある。
 しかし、世の中はそうはうまくゆかないのがつねである。期待しすぎて、望み通りにならなかったらガッカリする。そのショックをうけないためには、あまり期待しないで、自分がよいと思ったらコツコツやることだ。
 その意味で、太極拳を一つの種まきと考えていただきたい。まいたからといって、その種がぜんぶに芽がでてくるとは限らない。あまり早い収穫を期待しないで、芽の出るのを、楽しみとしてけいこをつづけるほうが気楽であるし、そのほうがかえって効果があがる。

                                                   このページのトップへ

楊名時著 復刻 『太極拳のゆとり』 

私が長く続けている、楊名時太極拳の世界を一番よく表していると思われる一書です。
著者は、楊名時太極拳を創始した師家で、中国に生まれ、戦中、日本に国費留学された後、戦後、日本に帰化されると共に日本に広く太極拳の普及に尽力された方です。
単なるスポーツとしての太極拳にとどまることなく、太極拳を通して人間形成への道を説かれているものです。
本書は文化出版局から出版され、絶版後、楊名時太極拳事務所から復刻版が発行されましたが、残念ながら現在再び絶版となっている模様です。

要旨

 健康こそ生活の基本である。
 健康であってはじめて健全な、ゆとりのある考えが生まれ、他人のことにも思いを馳せることができる。
 だから、極論すれば、洋の東西を問わず、健康な人間が増えれば増えるほど、やがては世界の平和に通ずる道といえるのではないだろうか。
 その健康は、だまって待っていても、やってくるものではない。他人から与えられるものではなくて、自分自身がつくっていくものである。「自力更生」という言葉もある。自分で、たゆまず、日々繰り返し積み重ねてこそ得られるものである。あわてず、あせらずに励むことがたいせつであると説かれている。
 また、楊名時太極拳の目ざすところは、「健康・友好・平和(和平)」というスローガンに示されている。

 本書中、中国の格言を日本人に分かり易く説明されている。また、楊名時先生の人生哲学を示している。

著  者:楊 名時
発行所:有限会社楊名時
     太極拳事務所
     03-3259-8590
発 行:1989年12月
(復刻2001年1月1日)
0075-500610-7368
現在、絶版のようです。

                                                   このページのトップへ

楊名時師家の人生哲学 (本書から抜粋)

・自力更生:自分の力で自分を向上させるという意味である。
        健康に例をとっても、自分の体を健康にするには、まず自分を鍛えなければならない。
        医者や薬に頼るのは二の次である。
・文武不分:「文」は、頭脳、あるいは知識をさし、「武」は運動、武道などの肉体を鍛錬すること。
        文と武を分けずに、共に学んで学習しなければならない。
        この理屈はだれにもわかることだが、要は実践がたいせつである。
・流水不腐:流れる水は腐らず。
        人間も動くことによって新陳代謝を促し、健康を維持することができる。頭脳もしかり。
・星火燎原:小さな火が野原を焼き尽くす、ということ。
        最初人に知られないことでも信念をもってよいことを推進していれば、やがて野火勢い
       のように多くの賛同者が集まってくる。
・学而不厭:学んでいとわず。
        およそ学習と名のつくことで楽なことはあるまい。自らを励ましながら努力することが
        大切である。
・虚心使人進歩  :謙虚は人を進歩させるということ。
・驕傲使人落後  :うぬぼれは人を落伍させる。
・朝気蓬勃     :生気はつらつということ。
・失敗者成功之母:失敗は成功のもと。
・吃一塹、長一智 :一度つまずけば、それだけ利口になる。
・以和為貴     :和をもって貴しとなす。
・説話和気     :言葉づかいはおだやかに、ということ。
・柔能克剛     :柔よく剛を制す。
・求大同、在小異 :小異を残して大同につく、ということ。
・謙虚謹慎     :謙虚で慎み深く、ということ。
・戒驕戒躁     :おごりやあせりを戒める、ということ。
・人言有信     :人の言は信用がなければならない。
・開門見山     :物事を隠さずに、ズバリ核心に触れることである。
・推陳出新     :古いものの中から新しい考えを引き出す、ということ。
・?水勿忘搾井人:水を飲むとき、井戸堀りの恩を忘るべからず、ということ。
・推己及人     :我が身をつねって人の痛さを知れ、ということ。
・欲罷不能     :やめんと欲すれどもあたわず。
            太極拳も長くやれば、やめようとしてもやめられなくなる。理屈以上のものだ。
            そうなったら、生活の一部になる。

                                                   このページのトップへ

李天麒著 『太極拳の真髄』 

簡化24式太極拳の編纂の中心的な存在として活躍された李天麒老師が、80年の武術・太極拳人生の集大成として、日本の武術・太極拳愛好者に贈る太極拳の実践と理論、歴史の解説書として出版された書です。


要旨

 本書は、簡化24式太極拳の動作解説書としてだけではなく、動作規範、練習要領が分かり易く述べられている。
 第一章 太極拳の理論
 第二章 簡化24式太極拳
 第三章 健身のための功法
 第四章 私が歩んできた道

 健身のための功法においては、八段錦、太極養生十三勢功の献身運動についても解説されている。

 また、簡化太極拳が制定されるまでの経過につても知ることができるものである。

著  者:李 天麒
発行所:械ABジャパン出版局
03-3378-9397
発 行:1994年11月
ISBN4-938650-95-9 C2075

                                                   このページのトップへ

簡化24式太極拳の制定 (本書から抜粋)

 太極拳の内容と特長
 1.型の全内容は24の動作で構成し、楊式太極拳の主要な動作を採用している。
   (伝統的な楊式太極拳の型は、全部で81の動作で構成されているが、重複する動作を除くと、
    30余りに単独動作にしぼることができる。)

 2.技術の要領は、1930年に楊澄甫と李景林が共同で整理しなおした太極拳新架に
   基づいている。
   そのため型は中正姿勢を基本に、動作は大らかで伸びのあるものとし、歩法は軽やかで
   手技は簡潔であるという特徴がある。

 3.内容の構成は「前半は容易に、後半は難しく」を段階的に行っていくことを原則とし、
   さらに全体をいくつかのブロックに分けている。したがってブロックごとに集中練習することも、
   あるいは終始通して練習することも可能になっている。
   型は全部で8組4段に別れており、第一段は直進する動作で構成されており、第二段は
   後退する動作を主体としている。そして第三段は横へ移動する雲手であり、最後の第四段は
   ?脚(蹴り技)、独立(片足で立つ動作)、下勢(伏せる動作)などの起伏動作や平衡感覚を
   養成する動作や転身動作を織り込んでいる。
   このような各ブロックごとの練習内容が明らかになっているため、指導しやすく、
   学びやすくなっている。

 4.全体に鍛錬の効果を収めるためにはできるだけ主要な動作を左右均等に取り入れ、
   伝統套路の中に左下勢、右攬雀尾しかない現象を避けた。

 5.型の練習所用時間は、伝統型の三分の一〜四分の一で5〜6分くらいである。
   したがって朝の仕事前や仕事の間の時間にも気軽におこなうことができる。

 6.集団練習および独習を容易にするため、連続動作で表した掛図のテキストと教材が
   用意され、またあわせて従来の太極拳に対する神秘性も排除できるようにした。

                                                   このページのトップへ

藤田鉱一郎著 『人の命は腸が9割』 

著者は、腸内研究の第一人者として広く知られているが、腸内細菌がいかに人間にとって重要なものか、また、人間は腸内細菌との共生なくしては生きられないことを理解し、腸を大切にしましょう! とのメッセージを分かりやすく述べられています。

要旨

 本書は、寄生虫博士としてしられる著者が、いままでの著書で述べられていた、いかに健康な生活を送るかについてのことどもを集約したダイジェスト版ともいえる書です。

 本書のまえがきに以下のとおり記されている。
 「私たちの腸には、2万種類、1000兆個もの腸内細菌が棲んでいます。彼らは、私たちの腸に棲む『もう一人の自分』です。人それぞれ指紋が異なるように、腸内細菌叢の組成も異なります。腸内細菌叢を遺伝子解析すれば、個人を特定できるほどです。この『もう一人の自分』が、人の命に良くも悪くも多大な影響を及ぼしています。腸内細菌が弱れば病気が起こり、腸内細菌が強化されれば病気が遠ざかっていくというほどに、人の生命力に大きく関与していることが、近年、さまざまな研究によって実証されているのです。」

著  者:藤田 鉱一郎
発行所:(株)ワニ・プラス
     03-5449-2171
発 行:2013年12月
ISBN978-4-8470-6067-0 C0247

                                                   このページのトップへ

でっかい大便をしていれば、幸福の感受性が高まる (本書から抜粋)

 ストレスへの耐性と幸福感の感受性を自ら調べる方法があります。それは。毎日の大便をチェックすることです。幸福感の感受性は大便の大きさに相関します。なぜなら、大便の固形部分の約3分の1は腸内細菌とその死骸だからです。腸内細菌は日々繁殖と死を繰り返していますが、腸内細菌の活動が活発ならばセロトニンの分泌量が増えるとともに、大便の量も多くなるのです。

 かつて「大便は食べ物が消化しきれなかったカスである」といわれ、大便の大きさは食べる量に相関すると考えられていました。しかし、違ったのです。大便の総量のうち、食べ物のカスはわずか5%ほど。大便の約60%は水分で、固形部分の3分の1は腸内細菌で3分の1は腸からはがれ落ちた細胞です。

 悪玉菌優位の腸がつくる大便は、黒っぽくてにおいがきつぃという特徴があります。こうした大便をする腸では、セロトニンの分泌は満足にできません。ストレスへの耐性と幸福度の感受性は低下し、うつ状態に陥りやすくなります。

 私が「究極のウンコ」と定義している大便は、「量はバナナ3本分、便切れが爽やかで、練り歯磨きや味噌の硬さ、黄褐色でにおいは微か、水にゆっくり沈むウンコ」です。

                                                   このページのトップへ

藤田鉱一郎著 『清潔はビョーキだ』 

著者は、寄生虫博士として広く知られているが、人間は、寄生虫や大腸菌、ひいては生きとし生けるものすべてと、共生してきたこと、そしてもっと自然を大切にすることの必要性を教えてくれる。

要旨

 本書は、1997年10月から1998年6月までまでの間、朝日新聞に毎週連載された『清潔ニッポン健康学』に、新聞には掲載しきれなかったことを補講として追記したものである。
 本書のまえがきに以下のとおり、清潔志向の行き過ぎに対する警告が記されている。
 「戦後の日本人の清潔志向は、次第にその度合いを強めてきて。最近では身の回りの、人がいきていくために必要な『共生菌』まで排除しはじめた。共生菌の排除が新しい感染症、病原性大腸菌O157を生み、一方では人間の免疫力を低下させるよう働いている。そして、この『共生菌の排除』はいつの間にか『異物』の排除に繋がっている。近頃では、若い日本人の間に、自分の出す汗やにおいまでも排除する傾向が見られはじめた。このような傾向は、もはや人間が『生物』として生きる基盤され奪い、そして、それは人間の精神的な面にも影響を及ぼし、日本人の『感性の衰弱』までも引き起こしているように思えてきた。」


著  者:藤田 鉱一郎
発行所:朝日新聞社
     03-3545-0131
発 行:1999年2月
ISBN4-02-257279-5 C0095

                                                   このページのトップへ

アレルギー抑制 寄生虫がつくる特殊抗体 (本書から抜粋)

 寄生虫は回虫であろうと、すべてIgE抗体という物質を人間につくり出させることがわかった。この現象は、寄生虫の感染に特有のもので、ウィルスや細菌では見られないこともはっきりしました。
 さまざまな実験で、寄生虫の分泌液や排泄液中にある分子量約2万の糖タンパクが、その物質とわかった。この糖タンパクが働いて、抗原と結びつかない特殊なIgE抗体がつくり出され、これがアレルギー反応に関係する裁縫(肥満裁縫)の表面をおおってその働きを鈍らせることで、アレルギー反応を抑えていることもわかった。
    
 花粉症などのアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそくなどのアレルギー性疾患が、いずれも日本人の寄生虫感染率が10%を切った1960年代半ばころから出現してきたことがわかるであろう。そして、それが回虫の感染率の低下とは逆比例して増加を続け、今や国民の30%強が何らかのアレルギー症状を有し、とくに九歳以下の子どもでは、その40.9%がアトピー性皮膚炎などの症状に悩まされているという状況になった。花粉症も、1998年の春には日本国民の5人に1人がかかっており、日本人にとってこれらのアレルギー性疾患は単なる病気ではなくなり、「第二の国民病」とよばれるようになった。
 ・・・・
 私は、戦後、日本人が進めてきた『清潔志向』と、それによる日本国内の『無菌化』が関係していると思う。回虫や細菌を追い出した日本人の体は、スギ花粉やダニに対して、敏感に反応する体質になってしまったのあろう。

                                                   このページのトップへ

藤田鉱一郎著 『水の健康学』 

身近な「水」ですが、なかなか不思議な物質です。

要旨

 人間の体は大人で体重の60%、新生児で80%が水だと云われている。また、体内に含まれている水の10%が失われただけでも、人間は危機的状態に陥り、20%を失うと死亡する。
 また、人間は、一日約2.5リットル(尿や大便1.5、吐く息0.5、皮膚0.5)の水分を排出する。その為、飲み水で1、食べ物で1、体内での産生で0.5リットルを補給しバランスさせている。
 そんな最も身近でありふれた液体である水が、物質として極めて奇妙な性質を持っている。例えば、
 ・氷として11種類の氷がある。
 ・融点、沸点に関して、水は非常に異常な行動をとることから、水の分子量18よりはるかに大きな分子量の化合物と捉えることができる。
 ・雪解け水には活性化作用があるが、4・5日経過すると、その効果が消える。
 また、欧米諸国では、加熱殺菌した水はミネラルウォーターとは呼ばないこと、そして煮沸することによって「死の水」に近づくと。
 心筋梗塞を予防するには、カルシウムやマグネシウム含有量の多い硬水を飲むこと、そして寝る前にコップ一杯の水を飲むことが大切であると述べられているとともに、日本の水道水の現状と化学物質の汚染が今後も拡がる可能性とその対策が急がれるとの警鐘を鳴らしている。

著  者:藤田 鉱一郎
発行所:(株)清朝社
     03-3266-5411
発 行:2004年7月
ISBN4-10-603539-1 C0347

                                                   このページのトップへ

はじめに (本書から抜粋)

 世界を旅するなかで、さまざまな水にであった。・・・・
 ・・・私は「からだにいい水」とはどんな水なのかを考えてみた。そして、ウォーター・レシピとして次のような結論に達したのである。
 「カルシュウムを多く含み、弱アルカリ性の水」。これが、からだにいい「魔法の水」だったのである。
カルシュウムを十分含んでいる飲料水を日頃から飲んでいると、骨や歯からカルシュウムが溶出されにくくなる。弱アルカリ性の飲料水を飲んでいる場合も同様である。従って、これらの水は老化を防ぎ、脳卒中や心筋梗塞になりにくくしているのだ。
 さらに、世界の水を調査してゆくうちに、「水には不思議な力がある」、「水には超能力がある」こともわかった。 例えば「雪解け水」には実際に若返り作用がある。
 北極では、氷がとけたばかりの海水のなかで、プランクトンの異常な増殖が見られた。旧ソ連の学者たちはも雪解け水により植物の種子の発芽が早くなったり、鳥のヒナの成長が早くなるなどの研究成果を出している。
 「雪解け水」は農作物の収穫率を増加させ、牛の乳量を増やすことも報告された。

                                                   このページのトップへ

石原結實著 『薬で治らない体の不調は自分で治す』 

お酒好きの方へ:お酒の効能が説かれているところを見つけましたのでご紹介します。

要旨

 本書は、西洋医学の「薬」では、なかなか「治りにくい」、または「治しようのない」症状で悩んでいる方々へ、東洋医学の立場からその原因と対策を示している。
 特に、不調の原因の多くは、「水分の摂りすぎ」と「冷え」に由来するもので、「低体温」が病気を作っていると。
 また、体を温め、余分な水分を排泄する方法が紹介されている。
 その中で、「医者いらず」の薬になる食べ物:「体を温めて、発汗、排尿を促す」薬になる食物も紹介されているが、「お酒」についても一項が設けられており、ビールやウィスキーは体を冷やし、日本酒は体を温め、免疫力を高めたり、ガン予防効果や脳の活性化に有効としてその効能を紹介されている。

著  者:石原 結實
発行所:KKロングセラーズ
     03-3204-5161
発 行:2011年5月
ISBN978-4-8454-0870-2 C0247

                                                   このページのトップへ

アルコール (本書から抜粋)

 麦は、漢方では、いわゆる「涼性」を持つ。つまり体を冷やす性質があるので、麦から作られるビールやウィスキーは体を冷やす。ブドウは間性なので、それからできるワインやブランデーは、間性のアルコールだが、色の濃い赤ワインのほうが体を温める。
 日本酒はコメから作られるので体を温める。さらに、焼酎やウィスキーのお湯割り、日本酒や紹興酒を温めたものは、熱が加わるので体を温める力がさらに強くなる。
 アルコールの効能を、種々の文献をもとに次にまとめておこう。
@ストレスを発散させて、免疫力を高める
Aガン抑制効果
 ・秋田大学滝沢行雄名誉教授「日本酒に含まれる低分子量成分に、発ガン抑制効果がある」との研究結果。
 ・愛媛大学奥田拓道教授「日本酒の酒粕成分がガン細胞などを攻撃するNK細胞の活性を強めて免疫力を高める」と1995年報告。
B動脈硬化を予防
C脳卒中を防ぐ
 ・米国コロンビア大学エルキンド助教授「どんなアルコールでも、一日に1〜2杯の適酒を守れば、脳卒中発症のリスクが非飲酒者より49%低下する」と1998年発表。
D胃液の分泌を良くして、食欲を増進させる
E適酒は、鎮静・睡眠作用がある
F適酒は、脳を活性化し、認知症やアルツハイマー病を予防する
 ・仏ボルドー大学オウゴゴゾ博士ら「赤ワインを毎日3〜4杯飲む人は、非飲酒者に比べて、認知症やアルツハイマー病の発症が4分の1以下である」と1997年発表。
G適酒は、糖尿病のコントロールを良好にする  

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石原結實著 『ガンも生活習慣病も 体を温めれば治る!』 

人間の平熱・体温の重要性を改めて認識させられました。著者は、体を冷やすことの危険性を警告するとともに体を温めることの意味合いを本書をはじめとする著書で説かれている。本書には、「病気しらずの『強い体』をつくる生活術」とのサブタイトルとおり、普段の生活を通じ改善が可能な知恵が詰まっています。

要旨

 本書は、「温熱健康法」をテーマとするもので、体温を上がれば、免疫力を高めて、病気に負けない体になるとの効能を説いています。
 発熱や下痢という症状が、体の正しい反応であり、それをやみくもに薬で対処することの非を説いている。
 ガン細胞は35度で一番増殖し、39.3度で死滅するものであること。したがって、体温の低い人はガンの格好の餌食となってしまう。体温が1度下がると、37%も免疫力が下がるという説もある、と紹介している。
 また、動物の食性は歯の形で決まっており、人間の場合、32本の歯のうち20本が穀物を食べる為の臼歯であり、8本が野菜、果物を食べる門歯、4本が魚や肉を食べる犬歯であることから、食べ物の90%近くは植物性の食物を摂るようにできているとのコメントも、納得のいくところです。
 特に、筆者が進める健康ドリンクは、ニンジンジュースで、皮付きの丸ごとのジュースが万病の薬であるとのこと。
 さらに、健康についての考え方として、食材の摂取についていろいろ考えることばかりせず、発汗・排便等人体の生理としての排泄についても目を向けるべきとの論点がユニークか。
 一例として、塩分は体を温め、気力・体力を増し、健康を保つうえで一番大切な栄養素であるが、体内に溜まると生活習慣病の原因となるが、労働や運動で発汗すればなんら問題はないと。

著  者:石原 結實
発行所:(株)角川書店
     03-3238-8521
発 行:2004年2月
ISBN4-04-704158-0 C0295

                                                   このページのトップへ

発熱しても薬は飲むな (本書から抜粋)

 ドイツの医科大学でガンの自然療法を行っていたイセルス教授の言葉に、「世界には二人の名医がいる。それは食欲不振と発熱だ」というものがある。
 我々の体が体内の老廃物・有害物を燃やしているサインであるばかりか、通常は消化活動に使われるエネルギーを病気治癒に費やそうとする反応である。同時に食を断つことで、病気のもとである老廃物や有害物をこれ以上体内に侵入させたり、作らせたりしないようにしている。これは人間だけでなく、どんな野生動物も行っていることである。
 現代医学は、病気の原因についても、すべてウィルスや細菌のせいにしたがる。その一方で、なぜウィルスや細菌が体内に侵入するのか、その根本原因をまったく考えていない。そのため、熱が出たら下げるばかりか、ガンができたら切除する、湿疹がでたら抑える、などの対症療法を行ってきたのだ。その結果、更に体内を汚し、病気を悪化させているのである。
 古代ギリシャの医師・ヒポクラテスは、「患者に発熱するチャンスを与えよ。そうすれば、ワシはどんな病気でも治してみせるぞ」と言っている。
 ・・・・・・
 発熱した場合は、解熱剤を使うよりも、脱水を避けるためにお茶、紅茶、ニンジンジュース、リンゴジュースなど、好きなもので水分を補い、まずは様子をみよう。
 また、発熱していても発汗がない場合は、生姜紅茶、生姜湯などで発汗させると、熱が下がることが多い。ただし、発汗してもなおかつ40度以上の発熱がつづき、気力・体力が萎えていくようなら、やはり医師に診てもらうべきである。
 また、下痢も薬の力で無理やり止めてはいけない。体が毒素を排泄しようとして、起こしている反応だからである。まずは体をよく温め、毒素をしっかりと排泄し、失った水分を補給することである。

                                                   このページのトップへ
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